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納豆菌で被災地の土壌改良

2011年3月11日の東日本大震災での大津波による被害農地は、水田2万151ヘクタール、畑3,449ヘクタールの計2万3,600ヘクタール。被災6県の耕地面積の2.6%に達したという。津波だけではない。原発による汚染土壌の問題もある。それらの津波および他の災害などで破壊された土壌(水田、畑)環境を回復するための方法として、納豆菌を活用する方法が公開特許として出願されている。発明の名称は「乳酸菌と納豆菌と有機肥料を利用した汚染土壌改良方法」(特開2013─22582)。発明者、出願人は共に岩手・奥州市の平松勝彦氏。

さて、被災農地を回復するための解決手段だが──まず、ヨーグルトと納豆菌をミキサーに入れ、よく撹拌して、ヨーグルト系土壌改良剤を生成。その改良剤と一般的有機肥料(堆肥)を津波などに破壊された土壌に入れ込み、添加する。有機物によって微生物の繁殖を促すと同時に、微生物環境を改善して地力の回復が得られる。

さらに、ヨーグルト成分と納豆菌(枯草菌)成分による活性作用が加わることで、有害菌を抑制、有効菌の繁殖を促進する。そればかりか、津波の被害農地だけでなく、セシウムなど放射線で汚染された土壌および植物に散布することによって、放射線による汚染数値の減少効果も得るという。

その放射線減少作用については、一般農地や畑でヨーグルト系土壌改良剤を用いた実証試験を行っている過程において発見された。土壌内に改良剤を散布して土壌改良を実施していたところ、セシウムの放射線量数値の変化を確認できたことを受け、改めて、放射線量数値の高い福島・南相馬市にて、ヨーグルト系土壌改良剤による放射線減少試験を行った結果、放射性セシウムの減少数値を確認したと平松氏。

具体的な実施方法としては、水田表面を整理し、トラクターを用いて土壌混合。雨の日を待って、もう一度、土壌を混合する。次に、土壌表面に有機肥料(堆肥)を散らす。その上から、ヨーグルト系土壌改良剤を水に薄めて散布し、肥料と土壌を混合する。一定の期間経過後、同じ作業を繰り返し行うことによって、地力の回復を得る。有機質資材とヨーグルト系土壌改良剤を土壌に入れ込み、微生物活性を促進することにより、被災農地の微生物量を増やし、土壌本来の地力を得る方法は、最も経済的にリーズナブルで、効率が良いと力説されている。
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