納豆菌+卯の花

豆腐を製造する際の副産物として必然的に毎日生み出されるおからは、産業廃棄物と認定されている(2007年9月 「おから裁判」参照)。大半が産業廃棄物として処理されているおからを、長時間屋外に放置するとその有用な繊維、たんぱく質、脂肪が腐敗して悪臭を放つなど、公害の要因になる。おからは食物繊維が多く、少量ながらもたんぱく質、脂肪を含むことから、食用や飼料としてさらなる消費、また、それ以外での新たな消費形態が望まれているのは周知のところ。今回、紹介するおからの新たな活用法は、おから(卯の花)に納豆菌を着床させて製造する「納豆菌つき卯の花」だ。

この「納豆菌つき卯の花」(特開2012-217374)を熟成させた物を、作陶用の粘土を扱うのと同じ要領で、十分に粘り気が出るまでよくこね、植木鉢の形や小豆球、駒形に加工し、用途に合わせて乾燥、あるいは乾燥して陶器様に焼成した加工品を作ることも併せて提案されている。出願人は山岡健さん(福岡県古賀市)。

おからに納豆菌を付与する目的で、納豆菌を着床させて保温し、発酵させ、さらに時間をかけて熟成させたことを特徴とする「納豆菌つき卯の花」の製造方法では、まず納豆菌の着床を容易にする目的で、卯の花に熱い水蒸気を吹き付ける。柔軟にすると同時に、吹き付ける水蒸気の圧力で卯の花をほぐし、コンテナに薄く広げた後、納豆菌を振りかけて保温し、発酵させ、さらに時間をかけて熟成させる。これだけでも、保水材や水の浄化材の原材料として利用できる。

「納豆菌つき卯の花」の取り扱いをより容易にする目的で、熟成後、粘土様になるまでよくこねて、小豆形、正方形、駒形などに形成し、乾燥させる。形成の際に、播種用の野菜の種、花の種などを内包させて乾燥させたり、植木鉢の形に焼成した加工品に苗を植え付けたりして、育苗や播種などの農作業に利用。種まきや苗の移植を手作業から機械作業に容易に移行できるという。当然、長時間、屋外に放置されると腐敗して悪臭を放つなどの公害の要因は軽減されている。

「納豆菌つき卯の花」自体の利用価値、産業廃棄物として処理されるおからの量の削減だけでなく、植木鉢や育苗ポッドなど「納豆菌つき卯の花」の加工品は、廃棄後も土壌に還元できるので、環境にも優しいとアピール。また、おからに散布する納豆菌の代わりに「納豆菌つき卯の花」も使用でき、リサイクル製造も可能になるようだ。
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通りすがりの夢想家。元(にして最後の)「トーヨー新報」編集人。現在は、一介の編集素浪人?



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「トーヨー新報」は、昭和33年(1958)創刊。大豆加工品(豆腐・油揚げ、納豆、豆乳、湯葉、凍り豆腐、もやし等)、こんにゃく、総菜業界をメイン購読者層に、月3回の旬刊紙「トーヨー新報」や業界関連データブック『豆腐年鑑』を発行。平成25年(2013)12月21日号、第1851号をもって終刊に至る。

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