あやしい絵展

2番出口から出て、「大阪歴史博物館」へ向かいました。
平成13年(2001)11月3日に開館した同館は、シーザー
・ペリ(1926~2019)が設計に関わっています。彼の
印象的な建築物は、大阪市内で他にも在り、「中之島
三井ビルディング」(2002)、「国立国際美術館」
(2004)、「あべのハルカス」(2014)――が頭にぱっと
思い浮かびます。入り口を通って、「大阪放送会館」
(NHK)と、球形のアトリウムで接続された空間が、いつも
面白くて、「国立国際美術館」の地下本館へ降りる前に
共通する感興。外光をふんだんに採り入れた半屋外の
気分でしょうか。1階のレストラン「スターアイル」で、
昼食を取りました。ビーフカレーオムライスと、展示に合わせた期間限定スイーツ
“あやしい竹炭シフォンケーキ”を頂きまして、エレベーターで6階に上がります。
☆
今夏の特別展は「あやしい絵展」。「怖い絵展」のバリエーションと見受けられますが、
取っ付きやすいテーマ性や、(何度目かの緊急事態宣言下ながら)夏休みということも
あり、大層な混雑ぶりでした。近代(明治時代以降)の数々の名画に隠された秘密、
物語を探るという意味での“あやしさ”は広範に至るため、ばらつきが目立つのですが、
逆に、誰もが自分好みの作品と出合えるでしょう。テーマを怪談趣味に寄せた場合、
ミュシャやラファエル前派は、文脈的に微妙(与謝野晶子の時代を考えてみるには
一興です)。河鍋暁斎やビアズリーは随分と親炙しており、ぐっと安心感を覚えます。
最近は『古事記』を読んでいるせいか、生の青木繁の「日本武尊」にぐっと来ました。
北野恒富「淀君」や、梶原緋佐子「唄へる女」は、近年、あちらこちらで見かけます(
「淀君」は恒富の別バージョンと見比べた方が、より怪しく映るとは思いますが)。
今回、ぼくが改めて目を見張った画家としては、橘小夢(1892~1970)、秦テルヲ
(1887~1945)ですね。また、じっくり、鑑賞できる機会があればよいなあ。俗っぽい
だろうが何だろうが、鏑木清方の「妖魚」だけは昔から大好き。橘小夢の「水魔」、
「安珍と清姫」の他、島成園「無題」のポスト・カードを購入して、博物館を去りました。
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