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枝豆日本一はどこ?

「大豆100粒運動」の提唱者、辰巳芳子氏の母堂、辰巳浜子さん(1904〜1977年)も「安くて、気がきいて、おいしくて、からだにさわらないもの」「三拍子ならぬ四拍子もそろったもの」ということで、枝豆を推奨している。

小付の塩茹では両端を鋏で切って水をさっとかけ、塩をたくさんまぶしてごしごしもみます。意外に土のよごれがついていてねずみ色の汁が出ます。よく水洗いをしてから茹でにかかってください。青く茹でる-この青い色目にとらわれず、豆の甘味が大切と知って色は少々悪くても、豆のうま味を味わうようにしましょう」と記し、簡単なものほど下準備は先に済ませて、仕上げを後回しにするようにとの心構えをアドバイスしている。

旧暦9月の十三夜の月は枝豆を供える「豆名月」と呼ばれ、秋の季語にもなっている。枝豆とはご存じのとおり、大豆が未熟なうちに茎ごと刈り取って、さやのままゆでて食用とする。山形県鶴岡市特産“枝豆の横綱”「だだちゃ豆」と新潟市特産「黒埼茶豆」で人気を二分しているようだが、これらの枝豆ブランド品の出荷は、7月下旬から8月にかけて集中している。

短期間の出荷集中を避けるように、6月上旬から10月下旬にかけて安定出荷を計画している群馬県産の高級品種「天狗印の枝豆」もあるにはあるが、現代人にはやはり、高校野球などを観戦しながらビールに枝豆という食のスタイルが根強く浸透しているのではないだろうか。

農林水産省が発表している野菜生産出荷統計から、枝豆の作付面積・集荷量・出荷量(2004年)の都道府県順位をに示した。黒埼茶豆で名前の挙がった新潟は作付面積こそ1位だが、収穫量3位、出荷量5位とまさに「量より質」を地でいく。だだちゃ豆の山形も作付面積は新潟と50ヘクタール違いの2位だが、収穫量2位、出荷量4位。収穫効率よりブランド力を優先させている形か。東京・築地市場で取引される枝豆は通常1キログラムで500〜600円だが、だだちゃ豆はその倍の1,000円前後の値が付くといわれる。

一方、2004年の生産量1位は東京の市場も間近い千葉で、1万200トンは全国の収穫量(7万3,300トン)の14%に当たる。10アール当たり収量で比較すると、千葉(901キログラム)は山形(407キログラム)、新潟(388キログラム)の2倍を超える。



参考文献:辰巳浜子『料理歳時記』(中公文庫)
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