吉田屋の段

開演された「中之島文楽」を鑑賞してきました。
初心者にもわかりやすく、古典芸能(人形
浄瑠璃文楽)を楽しんでもらう“ムムム‼文楽
シリーズ”ですが、昨年は新型コロナウイルス
感染症(COVID-19)の影響によって中止。
満を持しての再開でしょう。第1部の文楽鑑賞
ナビトークは、桂吉坊が司会。竹本織太夫と
鶴澤藤蔵のお話を聴きました。今回は他の
ゲストが招かれていませんけれども(吉村洋文・大阪府知事の姿も見えず)、却って、
内容が濃くなり、面白くなったようです。三味線の表の皮は猫で、裏は犬であるとか、
第2部で上演される「曲輪(くるわ)文章※」(※「文」+「章」で1字)吉田屋の段が、2人を
中心として演じるのは初めてであるとか(ツレの三味線には鶴澤友之助)……気に
なって、令和2年「初春文楽公演」第1部を調べ直してみますと、豊竹咲太夫の藤屋
伊左衛門を筆頭に、登場人物ごとに太夫が語り分けていました。織太夫は扇屋夕霧。
「中之島文楽」ではビギナー向けに、登場人物を伊左衛門、夕霧、吉田屋亭主・
喜左衛門の3名に絞り込んだことで、織太夫1人が語るのです。また、2020年初春
(吉田屋)の三味線は鶴澤燕三でした。現・藤蔵(2代目)は初代の孫で、九代竹本
綱太夫の長男であり、現・織太夫(6代目)もいずれは“綱太夫”でしょうし、藤蔵を
「兄さん」と呼ぶ濃厚な関係ですから、この2人が組んでいると盤石の安心感を覚え
ます。人形は伊左衛門を吉田玉男、夕霧を吉田一輔、喜左衛門を吉田玉助が遣って
いました。出遣いと言えども、主遣いの3人しか顔が見えないなあ、と残念に思って
いたところ、最後のフォト・セッションで左遣い、足遣いも壇上に上がり、ぼくの推して
いる吉田玉勢は、喜左衛門の左を遣っていたと判明。眼鏡を掛けていましたねえ。
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