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ナッシーのコンニャク打法

北海道日本ハムファイターズは、昨年(2010年)の主催試合観客数が約194万人。2005年以降、100万人超の観客動員を記録し続け、福岡ソフトバンクホークスに次ぐパ・リーグ2位の観客数を誇る。2006年に日本一、翌2007年もリーグ優勝を果たして勇退したトレイ・ヒルマン監督の後を継いだのが現監督、梨田昌孝(1953年〜)だ。2009年にリーグ優勝を果たし、ダルビッシュ有や斎藤佑樹といった人気投手を擁するチーム率いる梨田昌孝(=愛称・ナッシー)は昔、強肩強打で鳴らした捕手だった。そのナッシーには、「コンニャク打法」と語り継がれる妙技があったのである。こんにゃく横丁(201106)

1972年、ナッシーは島根の浜田高校からドラフト2位で、当時の近鉄バファローズへ入団した。岩本尭〜西本幸雄監督の下、捕手として起用されていたが、1975年に太ももを痛めて戦線離脱。その間に正捕手の座を有田修三に奪われてしまった。プロ4年目にして「ここで腐ったら終わり」とナッシーは、レギュラー復帰のための方法を模索し、最大の改善点がバッティングであると自覚。あれやこれやと打撃フォームについて試行錯誤する中、あの打法に行き着いた。

冷静に分析すれば、私の打撃フォームの欠点は、テイクバックした際に、どうしてもグリップが下がってしまうことだった。それで右ヒジが脇腹の後ろに入ってしまうため、窮屈なスイングになってインコースをうまくさばけない。そこで、バットを握った腕をゆらゆらとさせながら、ハンドリングに柔軟性を持たせようとした。そうしているうちに、体もゆらゆらとさせて全体に柔らかさを出した、コンニャク打法を完成させたのである

三冠王を3度獲得した落合博満もナッシーと同じ癖を持っていたが、その修正のためにバットを高い位置で構える「神主打法」を完成させたという。技術的に同じ改善点から出発しても、アプローチの発想の違いによって全く異なったフォームが生み出された訳だ。後年、大阪近鉄バファローズの監督としてもリーグ優勝したナッシーだが、日本一は未経験。札幌ドームでファイターズ戦開催時に販売されている「梨田昌孝の男気弁当」は、ナッシーの妙技にちなみ、こんにゃくも食材のひとつに盛り付けられている。通称はもちろん「こんにゃく弁当」だ、ゆらゆら。

参考文献:梨田昌孝『戦術眼』(ベースボール・マガジン社新書)
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