大豆、もうひとつの顔

ラーメン、だしの素、スナック菓子に限らず、身の回りにあふれた大抵の加工食品に添加されているものに「塩」「化学調味料」「たんぱく加水分解物」の3つがある。この“黄金トリオ”があらゆる加工食品のうまみのベースとなり、これに風味付けのエキスや香料を加えるだけで、どのような味も作り出せる–と、安部司氏は著書『食品の裏側』に記している。

塩(塩化ナトリウム)は周知のとおり。化学調味料(グルタミン酸ナトリウムなど)は、欧米人を中心に「摂取すると頭が痛くなる」「舌がしびれる」などといった「中華料理症候群」の報道によって広まり、家庭消費量が減少したほど。

では、たんぱく加水分解物とは何か?それは、たんぱく質を分解して作られるアミノ酸のこと。アミノ酸はうまみの素で、何でも日本人好みの味にしてくれる。正確に言うと、たんぱく加水分解物は添加物に当てはまらないらしいが、食品の味を調えるという意味で限りなく添加物に近い。酵素で分解するか、もしくは塩酸を用いる「塩酸処理法」で作られる。

たんぱく質には植物性と動物性があり、植物性でもっとも一般的に使われているのが大豆。油を搾り取った後のミール(脱脂大豆)を、塩酸処理法なら塩酸で分解し、それを中和させて複雑なアミノ酸液を作る。これがうまみのベースとなるたんぱく加水分解物である。奇妙な臭いを持ったうまみ成分で、それだけで風味はないが、別の風味エキスを混ぜると元の臭いが消え、うまみだけが生きてくるそうだ。

安部氏はかつて食品添加物専門商社のトップ・セールスマンとして年間数10億円の収益を上げ、いくつもの商品開発の現場に携わってきた。そこでの葛藤から、現在は加工食品によって便利で安価な食生活を享受している現代の消費者が、その代償として口にしている添加物について世に問う活動を行っている。講演会では、実際に添加物の白い粉を数種類調合し、豚骨スープやコーラ、ジュースなど思いどおりの味を再現して見せている。

参考文献:安部司『食品の裏側』(東洋経済新報社)
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通りすがりの夢想家。元(にして最後の)「トーヨー新報」編集人。現在は、一介の編集素浪人?



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「トーヨー新報」は、昭和33年(1958)創刊。大豆加工品(豆腐・油揚げ、納豆、豆乳、湯葉、凍り豆腐、もやし等)、こんにゃく、総菜業界をメイン購読者層に、月3回の旬刊紙「トーヨー新報」や業界関連データブック『豆腐年鑑』を発行。平成25年(2013)12月21日号、第1851号をもって終刊に至る。

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