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新・鏡影綺譚

物凄いものを観てしまいました。2月26日(土)14時、
大阪中之島美術館」1階ホールにて、人間浄瑠璃
新・鏡影綺譚」の開演です。(翌日までの)全4回
公演の初っ端でしたが、全公演鑑賞したくなるくらい、
打ちのめされてしまい。土曜日とあって、展覧会への
入場を待つ2Fの行列もえげつなかったのですけれど、
1階に下りても、開場13時15分前から長蛇の列……
森村泰昌×桐竹勘十郎への皆の期待がひしひしと
感じられます。席を押さえて、トイレへの行き帰りの際、
帽子を目深に被った鶴澤清介師匠とも遭遇。太夫は
竹本織太夫。本編に入る前、近松の「曽根崎心中
(つけた)り観音廻り」も序として演じられ、ご褒美を
頂いた気分。森村先生のお京は、序と下の段で登場
します。小柄と言えども成人男性ですから、文楽人形
と比べれば巨大ですし、さらに女形の足遣いを活かす
ため、足を隠す(60㎝ほど浮かす)必要があり、脚車
付きの台車を使用していた模様。お京は人形と森村
先生の2体が登場するのですが、どうしても、人体の
パーツである顔は(白塗りもあって)大きく見えますし、
手足が短く見えるのよね(大きな赤ちゃん人形みたく)。
大団円で、手足をぱたぱたさせて飛翔を表現しよう
とするも、重力に縛られ、せいぜいがジオングにしか
見えなかった……のに、グロテスクすれすれの、凄絶
極まりない世紀の見世物に立ち会ってしまったようで、
涙が零れそうでしたよ。やらなくてはいけない、ぼくも
観るべきものを観たというプチ達成感を覚えています。
終盤の立ち回りで、お京の衣装の裾をキャスターが
噛んだ瞬間、下手から飛び出してきて即座に直した
黒衣さんがナイス・ジョブ。出遣いは勘十郎師匠だけ
でしたけど、他の人形遣いも本当にお疲れ様、としか
言うしかなくて、そもそものプランの段階から、今回の
本公演に至るまで、はらはら、ドキドキしっぱなしでした。
人形浄瑠璃文楽の人形を人間に入れ替える――ただ
それだけの潔い企画なのに、何とも、感に堪えません。


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テーマ : 演劇
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 文楽演劇美術

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歌わない詩人、喰えない物書き。
たまに「考える人」、歴史探偵。
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(自称)。
好きな言葉は「ごちそうさま」。

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