AMEDEO MODIGLIANI

「モディリアーニ ―愛と創作に捧げた35年―」
を観に行きました。アメデオ・モディリアーニ
(1884~1920)の作品がまとめて紹介される
と同時に、当時(20世紀初頭)のパリ、彼の
作品の受容史も概観できる内容の展示です。
プロローグでは、ジャン・コクトーの手掛けた
ポスターに瞠目。器用なものですね。彫刻にも
手を出していたモディリアーニですが、ギリシャ
建築におけるカリアティード(女人柱像)や、アフリカの仮面・彫像を眺めていますと、
仏像にもつながる何かが感じられます。モディリアーニの師事したコンスタンティン・
ブランクーシの「接吻」が超キュート。“エコール・ド・パリ”として括られた絵画が
並ぶ一角では、パブロ・ピカソ、マリー・ローランサン……etc. 懐かしい面々が集合。
妙に面映ゆい気がしました。キスリングや藤田嗣治は好き嫌いを抜きにして、
馴染んでいるのです。今回、惹かれたのは、フアン・グリスの「円卓」、シャイム・
スーティンの「心を病む女」、「セレの風景」。その作品は飾られていないのに、
モーリス・ド・ヴラマンクやモーリス・ユトリロを見て、佐伯祐三のことを思い出したり
していました。グレタ・ガルボ(1905~1990)のコレクションであった「少女の肖像」は
世界初公開だそうです。一番の見どころは、大阪中之島美術館のコレクションである
「髪をほどいた横たわる美女」と、同一のモデルを描いたアントワープ王立美術館
(ベルギー)の「座る裸婦」を同時に鑑賞できることでしょうか。“呪われた画家”とも
呼ばれるモディリアーニですけれど、(彼の作品ではなく)彼の生き様が、或る種の
ステレオタイプとなって、飲酒・薬物にまつわる破滅願望やら、貧困と切って切れない
芸術家像を拵えてしまったのだなあ、と身に染みさせられます。笑い事じゃなくてよ。
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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術
tag : 美術