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USDA穀物等需給報告と商品先物

米国農務省(USDA)が毎月公表している「世界および主要国の穀物・大豆の需給見通し」を見ると、「crush」という単語が目につく。「beginning stocks(=期初在庫量)」や「ending stocks(=期末在庫量)」と違い、「圧砕」や「圧搾」と訳しても今ひとつピンと来ないが、これは「大豆をつぶして大豆油や大豆ミールを生産すること」を指す。

米国産大豆の需要は、主に輸出とこの圧搾であり、これらの増減が相場の大きな材料になる。USDA公表の穀物需給表には、生産量、期初在庫量、輸入量から成る供給量と(圧搾とそれを含めた全体の)国内消費量、輸出量、そして期末在庫量の項目があり、これらの毎月の報告は先物取引をする上で見逃せない。

2005年5月に「商品取引所法」が改正され、投資家の保護、手数料の完全自由化のほか、強引な勧誘活動の禁止、決済方法の国際標準化などが盛り込まれた。日本国内で、7つの商品取引所(2006年1月現在)に上場されている商品先物取引の銘柄数は46(取引所ごとに重複銘柄あり)。この46銘柄の中に、農産物として、IOM一般大豆、NON-GM大豆、大豆ミール、大豆オプションなどが含まれている。

商品先物取引において、大豆などの農産物は天候相場期と需給相場期に分かれている。世界最大の大豆生産国である米国、次いで南米のブラジル、アルゼンチン、この3国で世界の大豆生産量の8割強を占めるが、種まきから収穫までの時期が、これら生産地の天候に一喜一憂する天候相場期に当たる。

大豆とトウモロコシを生産する農家は、まずトウモロコシ、次に大豆を作付けするが、トウモロコシの作付けが遅れれば、大豆への転作懸念が出る。そのため、トウモロコシの作付け時の天候や価格も大豆相場に影響を及ぼす。そして収穫が始まって市場に出回る時期になると、需給相場期がスタート。輸出量と圧搾量に加えて、USDAが発表する期末在庫率は、需給ひっ迫の指標となるので極めて重要になる。

参考文献:三次理加『ネットで簡単!リカがやさしく教える商品先物超入門』(柏書房)
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