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世界でいちばん大きな花?

暑い。太陽が燃えている。夏休みである。ラジオをつければ、子供の素朴な疑問に答える「なぜなに相談室」のような番組がにぎわっている。そこで問題。世界でいちばん大きな花は? ちょっと昔の子供たちならば、ラフレシアと答えたかもしれないが、現在だと、スマトラオオコンニャク(別名ショクダイオオコンニャク)という回答が優勢になるかもしれない。「ギネスブック」が公認している世界最大の花はスマトラオオコンニャクの方。直径1.5メートルに達するスマトラオオコンニャクと、最大で直径90センチメートルのラフレシアでは、スマトラオオコンニャクにすんなり軍配が上がりそうなものの、注釈が付く。

物言いが付くのは、「花」の定義によるものだ。植物学的に言うと、スマトラオオコンニャクの場合、肉穂花序とその付属体および仏炎苞の複合体が直径1.5メートルに達するのであって、ひとつの独立した花としてはラフレシアの方が大きいという考え方である。スマトラオオコンニャクの別名は、肉穂花序をロウソク(燭)、仏炎苞を台とする「燭台」に見立てたもの。また「ラフレシア」と一口で言うが、ラフレシア科ラフレシア属の全寄生植物のうち、ラフレシア・アーノルディが世界最大の花をつけるとされている。

ラフレシアの自生地は東南アジア島嶼部とマレー半島、スマトラオオコンニャクはインドネシア、スマトラ島の熱帯雨林。この世界最大の花の座を争う2種は、共に悪臭で名高い。「Wikipedia」から引用すると、ラフレシアは「汲み取り便所の臭いに喩えられる腐臭を発し」、スマトラオオコンニャクは「強烈な腐臭」を持つ。散々である。往時、ラフレシアは死肉に似た色合いや質感から「人食い花」として恐れられ、スマトラオオコンニャクは「お化けこんにゃく」とも呼ばれるなど、嫌われ者であったらしい。

両者の花に共通する腐臭だが、実のところ、死肉や獣糞を好むハエや甲虫などをおびき寄せ、花粉を媒介させるための自然の戦略のようだ。生き残るための戦略として、悪臭が選択されたことになる。なお、スマトラオオコンニャクの花は7年に1度2日間しか咲かない。日本における最初の開花は1991年、近々では2012年5月25日、茨城県の国立科学博物館筑波実験植物園などで開花している。
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