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Art Brut

12月3日(土)14時から、「大阪国際会議場グランキューブ大阪)」
10階にて、「京阪沿線 ぶらり芸術めぐり 前編」VOL.3、「アール・
ブリュットの底知れぬ魅力
」を聴きました。講師は「滋賀県立美術館
ディレクター(館長)の保坂健二朗氏。まだまだ(美術ファン以外には)
耳馴染みの無い“アール・ブリュットart brut)”という語の説明から
入ってくれたのは、非常に有益でした。“(き)の芸術”と翻訳しても、
わかる人にしかわからないか。その「アール・ブリュット」を提唱したのは、
フランス人画家の Jean Dubuffet (1901~1985)。父母がワインの
卸売業を営んでいた辺りから、“brut”のニュアンスがうっすらと透けて
見えそうです。沈黙・孤独・秘密の要素を孕み、独学で創作活動を
行っていること等が特徴に挙げられますが、ぶっちゃけ、「精神病患者の
芸術」と呼ばれていたような(アカデミーに毒される恐れは無い)範疇
でした。後に、英国の美術史家、Roger Cardinal (1940~2019)が
著した『アウトサイダー・アート』(1972)では、デュビュッフェの定義を
超え、プリミティブ・アートや、フォーク・アート等も併呑するようになります。
ただ、「アウトサイダー・アート」という言葉自体は、編集者が造った模様。
日本では、澤田真一らの作品が紹介されていますが、アート・ブリュット
障害者芸術と、澤田氏は再三強調されておられました。海外との
比較で言えば、日本の精神科病院からアート・ブリュット作品が供給
されることは滅多になくて、障害者福祉施設から多々発信されている
状況です。問題は、沈黙に耐えながら、孤独に創作し、秘密を蔵して
いるか? 発信者のハンデの有無はどうでもよくて、“美” への驚き…
…“美” に対して硬直した感性自体を揺るがす 何かがあればいいね。
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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 講座美術

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歌わない詩人、喰えない物書き。
たまに「考える人」、歴史探偵。
フードビジネス・コンサルタント
(自称)。
好きな言葉は「ごちそうさま」。

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