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蒟蒻と餅屋

蒟蒻と餅屋、どちらが先か?
過日、桂文之助の『餅屋問答』を聴いた後から覚えた疑問。
上方中心主義のぼくとしては、てっきり「餅屋問答」が最初だろう。
そう思っていました。蒟蒻屋と餅屋では、餅屋の方がサゲもしっくり来ますし。
餅の大小で言い争うのはわかるとして、蒟蒻の大小はぴんと来ませんでした。
「こんにゃく問答」「お米とお豆腐」参照)
ところが、手元の『桂米朝コレクション』を繰ってみても、「餅屋問答」が載ってない!
       ☆
さて、東大落語会編『落語事典』によれば、「蒟蒻問答」は
通称“沢(托)善正蔵”こと、2代目・林家正蔵の作。
(正確には、3代目ともいわれ……林家こぶ平は9代目・林家正蔵ですね)
長野県下伊那郡の民話や貞享年間の小噺などに、ルーツを探れるにせよ、
いずれにしろ、江戸落語の名跡のまとめた演目であることに違いはなく。
では、どこで“蒟蒻屋”が“餅屋”に商売替えをしたのか? 
       ☆
(まだ、文献等では裏を取れていないのですが)
故・立川談志と月亭可朝が巡業中の電車の中で、互いの持ちネタを交換。
その時、可朝が談志に教えたネタが「算段の平兵衛」。
(故・米朝師匠が復活させた古典落語のひとつです)
代わりに、談志が可朝に稽古をつけたネタが「蒟蒻問答」となるようです。
これは舞台が上州安中(現・群馬県)ですから、上方では都合が悪い。
その他、諸般の事情から、餅屋への意匠替えが行われたものかと思われます。
ただ、蒟蒻屋から餅屋へ見事に移植してみたものの、
迂闊に弄れず、そのまま残されたファクターを発見……(別記事に続く)。
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テーマ : 落語
ジャンル : お笑い

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歌わない詩人、喰えない物書き。
たまに「考える人」、歴史探偵。
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好きな言葉は「ごちそうさま」。

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