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妙解寺納豆

先月15日(=2007年2月現在)、九州産交ツーリズム(矢田素史社長、熊本市)は、江戸時代の食材・調理法を復元した「肥後54万石料理物語」を開発し、第1弾として「細川御膳」を販売すると発表。熊本城築城400年祭にちなんだ特別企画で、同社は「季節に応じて第2弾、第3弾を企画し、熊本観光振興の一助をめざす」としている。

「細川御膳」は、肥後藩主細川家の御料理頭、村中乙右衛門が書き残した秘伝書『料理方秘』(1803年)に記されたレシピを基に、郷土史家や料理研究家の協力を得て復元したもの。『料理方秘』のレシピは約200種に上り、この中から「芋茎(ずいき)」や「妙解寺納豆」など、細川家と特にゆかりの深い農産物や海産物を選んで、現代人の嗜好に合うように味付け、調理法を工夫したという。

寛永18(1641)年に細川家3代忠利公が亡くなり、その墓所を現在の熊本市の花岡山のふもとに設け、墓地を守護するために寺が建立された。寛永20年、沢庵と同門の啓室宗栄が下向、住職となり、忠利の戒名「妙解院殿」に基づいて寺号を「護国山妙解寺」と名付けた。以後、明治4年に廃寺となるまで、歴代藩主の菩提寺とされていたそうだ。

さて、妙解寺を開いた住職は沢庵和尚(1573〜1645年)と同門だった。沢庵は江戸時代初期の臨済宗の僧だが、あの大徳寺にも歴住していた。つまり大徳寺納豆(=浜納豆、寺納豆)の流れが妙解寺にも伝わり、「妙解寺納豆」に結実したとも考えられるのである。

ちなみに「細川御膳」の献立は、(1)硴ころはし・寄玉子・箱寿司(2)伊勢膾(3)煎麩(4)芋茎南関あげ巻き(5)煎酒煮(6)鰤焼・辛子蓮根・飾り絵馬(7)今出川豆腐(8)笹巻麩(9)呉汁(10)五穀米(11)青高菜(12)季節の果物——となっている。熊本交通センターホテル宴会場およびレストランで販売しており、価格は5,000円(税・サービス料込み)。予約は2人以上で3日前まで受け付けている。寺納豆は抜きにしても、大豆加工品はやはり伝統料理に欠かせないのである。
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