池井戸潤を読む

池井戸潤3月22日(火)、「第3回 二人の読書会」を
開催。前回まで古典が2作、続いていた。
 ※第2回・課題作品は夏目漱石夢十夜
今回べたでよいから、今時の作品にしよう!
課題作品は池井戸潤から選ぶことにして、
空飛ぶタイヤ』(実業之日本社文庫)。
一作だけで、その作家をとやかく言えない。
代表作らしき物、計6作を一気読みしてみた。
いずれも広義のミステリー作品で面白かった。
       ☆
1988年、『果つる底なき』、第44回江戸川乱歩賞受賞。
2010年、『鉄の骨』、第31回吉川英治文学新人賞受賞。
2011年、『下町ロケット』、第145回直木三十五賞受賞。
ちなみに、現時点で上記3賞を受賞した作家は、池井戸の他、高橋克彦のみ。
『空飛ぶタイヤ』は、2006年の刊行。
乱歩賞受賞後、雌伏の時期に放たれた原稿用紙1,200枚超の長編である。
       ☆
第28回吉川英治文学新人賞、第136回直木三十五賞候補作にもなった。
受賞こそ逸しているのだが、後の両賞獲得を見ればわかるように、
既にチェックメイト済みだった、とも言える。
旧・三菱銀行に入行経験のある履歴から、“経済小説”の意匠をまとい、
役割の軽重こそあれ、作中には必ずや銀行マンが登場する。
       ☆
しかし、「広義のミステリー」と表現せざるを得ないほど、
ガチガチの本格ミステリー(=フーダニット)からは程遠い作風ではあった。
『果つる底なき』など、謎解きを主眼として読むには、どうにも詰めが甘い。
そのもやもや感は、作者本人も自覚していたようで、やがて
「生きている人」を描く方向に舵を切る。
『空飛ぶタイヤ』では「人間を描くんだ」と意識を切り替えていたようだ。
同作の直木賞落選の理由は「文学性に乏しい」だったというが……。

参考文献:池井戸潤『果つる底なき』(講談社文庫)
       池井戸潤『空飛ぶタイヤ』(実業之日本社文庫)
       池井戸潤『鉄の骨』(講談社文庫)
       池井戸潤『下町ロケット』(小学館文庫)
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テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

tag : 小説 読書会

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「文学性」

直木賞選考委員の言うところの「文学性」自体が古臭いので、何ともなぁ。
「人間」観が古いところで、とやかく評価されても始まらない……。
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通りすがりの夢想家。元(にして最後の)「トーヨー新報」編集人。現在は、一介の編集素浪人?



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「トーヨー新報」は、昭和33年(1958)創刊。大豆加工品(豆腐・油揚げ、納豆、豆乳、湯葉、凍り豆腐、もやし等)、こんにゃく、総菜業界をメイン購読者層に、月3回の旬刊紙「トーヨー新報」や業界関連データブック『豆腐年鑑』を発行。平成25年(2013)12月21日号、第1851号をもって終刊に至る。

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