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偶然の敵

相も変わらず、アンドレ・ブルトンを読み返している。
4月10日、光文社古典新約文庫の『狂気の愛』も読了。
錯綜する詩的表現や、シュルレアリスムにおける愛など、
語り口は高踏的なようでいて、その実、平易な恋愛指南書とも
受け取られかねない危険性を、歯牙にもかけない無邪気さ
……場末の三文芝居、チープなゴシップ誌を好んだ彼らしい。
       ☆
とりわけ重要なのは、自分と愛する相手とのあいだに姿を現すとつぜんの不一致に、どう対処すべきかを心得ることである。この不一致は、しばらく前から愛を侵食している深い原因によるものか、それとも愛とは関係のない、一連の偶然的な原因の産物なのか? 
       ☆
愛が生といさかいを起こすことを、わたしは否定しない。愛は打ち勝たなければならないと、わたしは言っているのだ、そしてそのためには、愛はおのれ自身についての高い詩的意識に達していなければならず、その結果、愛がかならずや出会う敵対的なもののいっさいは、愛がみずからを讃える炉で溶解する、と。

参考文献:ブルトン『狂気の愛』(光文社古典新訳文庫)
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テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

tag : 小説

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歌わない詩人、喰えない物書き。
たまに「考える人」、歴史探偵。
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