眠れる美女
6月26日(日)18時頃から、「第6回 二人の読書会」を開きました。
今回のテクストは川端康成先生の『眠れる美女』です。
(個人的に、敬愛する作家なので、「川端先生」と呼んでいますが)
後期・川端を凝縮させたような名篇であり、
魔界に沈潜し、エロティシズムを湛えた屈指の“日本文学”ですね。
生/死、男/女、老い/若さ……あらゆる二項対立が宙吊りにされ、
読者は江口老人とともに、いずことも知れない魔界の彷徨に
付き合わされることになります……時間も空間も、どこへ行ったやら。
端的に言って、“睡眠姦”という性的嗜好、フェティシズムを基点にしながら、
とんでもない世界に連れ去られてしまう という
小説の魔力、醍醐味をとことん味わえる言語芸術作品。
テクストの快楽、ここに極まれるといった観がありますねえ。
参考文献:川端康成『眠れる美女』(新潮文庫)
読者会の参加者から、「眠れる美女」を収めた文庫本に併載された
「片腕」に関する質問も頂きました。
(同作は日本のシュルレアリスム文学作品の到達点とも言えます)
そもそも、「片腕はどうして取れるの?」「片腕はどうして外れるの?」
……若い女の1本の片腕を借りる場面が大前提。そういった所帯じみた(?)
ミステリー的な発想は、この作品に向けていなかったため、虚を衝かれた感じ。
質問者は、義手でもない腕が簡単に外れることに、どうも納得いかないようで。
対して、「小説だから」「芸術だから」「シュールだから」といった安易な解答を避け、
今一度、“片腕”の持つ意味合いを解読し直している最中なのでした……。
今回のテクストは川端康成先生の『眠れる美女』です。
(個人的に、敬愛する作家なので、「川端先生」と呼んでいますが)
後期・川端を凝縮させたような名篇であり、
魔界に沈潜し、エロティシズムを湛えた屈指の“日本文学”ですね。
生/死、男/女、老い/若さ……あらゆる二項対立が宙吊りにされ、
読者は江口老人とともに、いずことも知れない魔界の彷徨に
付き合わされることになります……時間も空間も、どこへ行ったやら。
端的に言って、“睡眠姦”という性的嗜好、フェティシズムを基点にしながら、
とんでもない世界に連れ去られてしまう という
小説の魔力、醍醐味をとことん味わえる言語芸術作品。
テクストの快楽、ここに極まれるといった観がありますねえ。
参考文献:川端康成『眠れる美女』(新潮文庫)
読者会の参加者から、「眠れる美女」を収めた文庫本に併載された
「片腕」に関する質問も頂きました。
(同作は日本のシュルレアリスム文学作品の到達点とも言えます)
そもそも、「片腕はどうして取れるの?」「片腕はどうして外れるの?」
……若い女の1本の片腕を借りる場面が大前提。そういった所帯じみた(?)
ミステリー的な発想は、この作品に向けていなかったため、虚を衝かれた感じ。
質問者は、義手でもない腕が簡単に外れることに、どうも納得いかないようで。
対して、「小説だから」「芸術だから」「シュールだから」といった安易な解答を避け、
今一度、“片腕”の持つ意味合いを解読し直している最中なのでした……。
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