揚げ油の酸価値

揚げ油の酸価値にはどのような基準が定められているのか。例えば、かつて群馬県地域食品認証制度においては、油揚げ類の揚げ油の酸価値は「AV3以下」と定められていた。地域食品認証制度は「ミニJAS(日本農林規格)制度」とも呼ばれ、本来、該当地域内において製造され、主にその圏内で流通・消費される加工食品を「地域食品」として認証し、品質の改善、生産の合理化、表示の適正化を図るとともに、消費者の商品選択の目安とすることを目的とした。

この制度を設けた群馬県では、流通する加工食品のうち4品目(豆腐、油揚げ、納豆、こんにゃく)、静岡県では5品目(豆腐、油揚げ、納豆、こんにゃく、かまぼこ類)が地域食品の対象とされ、制度内で揚げ油の酸価値も規制されていた。

しかし、流通の広域化に伴い地域食品という位置付けが薄れてきたことや、「改正JAS法」で品質表示が義務化されたことなどから、群馬県をはじめ廃止に至ったところが多い。まだ制度が残存しているのは岩手、山形の2県のみ(2008年1月末現在)。ただ、過去の制度が廃止されても、揚げ油の酸価値には規制値がある。

農林水産省所管の「JAS法」では、揚げ油の酸価値に関して規制はしていない。旧来の地域食品認証制度における油揚げの酸価値「AV3以下」は、厚生労働省が所管する「食品衛生法」で定めた即席めん類(油揚げ麺)の基準値に基づいたものだった。

食衛法の「食品、添加物等の規格基準」では、即席めん類(油揚げ麺)を対象として、めんに含まれる油脂の酸価が3以下、過酸化物価が30meq/kg以下(油脂1グラム中の遊離脂肪酸の中和に要する水酸化カリウムが30ミリグラム以下)と規定されている。

また、厚生労働省の通達「菓子の製造・取り扱いに関する衛生上の指導について」(1977年11月16日環食第248号)では、油脂で処理した菓子(ポテトチップス、スナック菓子など)を対象に、酸価5以下で過酸化物価30meq/kg以下、または酸価3以下で過酸化物価50meq/kg以下と規定されている。同じく通達「弁当及びそうざいの衛生規範について」(1979年6月29日環食161号)では、揚げ処理中の油脂が「酸価が2.5を超えたもの」はすべてを新しい油脂と交換することとしている。

以上のことから、油揚げ類の製造に用いる揚げ油の酸価値は、食品衛生法や他の通達によるAV3以下(「弁当及びそうざいの衛生規範」に従うならばAV2.5以下)の規格が適用されることが分かる。
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通りすがりの夢想家。元(にして最後の)「トーヨー新報」編集人。現在は、一介の編集素浪人?



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「トーヨー新報」は、昭和33年(1958)創刊。大豆加工品(豆腐・油揚げ、納豆、豆乳、湯葉、凍り豆腐、もやし等)、こんにゃく、総菜業界をメイン購読者層に、月3回の旬刊紙「トーヨー新報」や業界関連データブック『豆腐年鑑』を発行。平成25年(2013)12月21日号、第1851号をもって終刊に至る。

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