とうふ竹輪

総務省統計局が公表した家計調査(2人以上の世帯)の都道府県庁所在市別ランキング(2005〜2007年平均)を見ると、「他の大豆製品」の分類において鳥取市が支出金額2,631円で第1位を占めている。2位が宇都宮市が2,083円、3位の福島市が1,485円で、全国平均は795円。このように鳥取市が段トツで「他の大豆製品」を消費しているのは、「とうふ竹輪」というこの地域独特のアイテムがあるため。

とうふ竹輪は、鳥取市を中心とした鳥取県東部地域でのみ生産されている。全国で豆腐を利用した地域食品はいくつかあるが、竹輪に使うケースは珍しい。

とうふ竹輪の発祥については、正確な史料が残されていないため明らかではないが、鳥取県東部に江戸時代末期から伝わる伝統食品であることは間違いないようだ。備前国岡山藩主・池田光仲(1630〜1693年)は1648年、因幡・伯耆を有する鳥取藩に転封されたが、領民に豆腐食を奨励したといわれる。

とうふ竹輪も、当初は原料に魚肉を使わない木綿豆腐だけであったことから、“豆腐”の名が冠されている。すった豆腐を棒状にして細い竹に付けて加熱処理したものが、鳥取藩の財政は厳しく、領民も質素倹約が強いられたことから、わずかの魚もムダにしないように——と、現在の形に近いとうふ竹輪が考案された。

豆腐と魚のすり身を混ぜ合わせたとうふ竹輪は、混合の割合、使用する魚の種類、塩の量など、製造業者によって異なるが、基本的には木綿豆腐と魚肉を7対3の割合で混ぜ合わせ、それを竹輪状に成型し、蒸して作る。大抵の竹輪は焼いて製造されるが、とうふ竹輪では蒸す工程が特徴になる。

かつて、とうふ竹輪の問題点は他の竹輪と比べて消費期限が短いことにあった。他の竹輪の消費期限が製造日から3〜5日であったのに対して、とうふ竹輪は常温で1日、冷蔵保存でも3日が限度だったという。現在では真空パックの研究開発が進み、消費期限が約2週間まで延びたことによって販路が広がり、地元の家庭用食品としてだけではなく、土産用としても販売されている。鳥取県ではとうふ竹輪を「鳥取県ふるさと認証食品」に認証し、官民一体となった消費拡大を推し進めている。

参考文献:『食育はここから始まる 日本の地域食材2006年版』(良い食材を伝える会)
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「トーヨー新報」は、昭和33年(1958)創刊。大豆加工品(豆腐・油揚げ、納豆、豆乳、湯葉、凍り豆腐、もやし等)、こんにゃく、総菜業界をメイン購読者層に、月3回の旬刊紙「トーヨー新報」や業界関連データブック『豆腐年鑑』を発行。平成25年(2013)12月21日号、第1851号をもって終刊に至る。

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