吉原治良の挑戦

11月25日(金)、兵庫県の芦屋市立美術博物館を訪問。芦屋市立美術博物館(2016_11_25)
復元された小出楢重のアトリエが併設されているほか、
東隣には「谷崎潤一郎記念館」も建っているのですが、
目的は企画展「未知の表現を求めて 吉原治良の挑戦
でした。20世紀の前衛美術を代表する画家とされる
吉原治良(1905~1972)とはいえ、美術好きでないと
知名度は高くないような気もしますが、意外なところで
彼の作品は目にしているものです。ぼくも10月に訪れた
大原美術館」で、「白い円」を鑑賞していましたし。

倉敷では、実業家・大原孫三郎と画家・児島虎次郎の
幸福な関係に思いをめぐらせたものですが、吉原治良
という存在がまた、抽象画家である前に、実業家――
現「J-オイルミルズ」の前身となる油問屋の御曹司とあって、再び考え込まされます。
伊藤若冲も青物問屋の御曹司で、絵を売らなければ生活が成り立たない画家たちの
彼岸に位置する存在でしたが、吉原治良も似たような立ち位置に在ったようです。
売ろうとして創るのではない、生活の資を得るのが目的ではないとすれば……。

大阪市に生まれ、芦屋市に住まった吉原治良は「具体美術協会」を立ち上げるなど、
生涯を通して最先端の表現を追求した、その軌跡を約90点の作品から辿ってみよう
という、非常に熱の入った良い企画展示でした。最初から抽象画一本槍だった
訳ではなく、藤田嗣治に酷評されながらも、デ・キリコの影響を受けるなどして、
紆余曲折を経ながらも、彼独自の表現が培われていく様が、時代ごとに興味深く、
眼を悦ばせてくれます。また、映像として紹介された大阪万博での「具体美術祭り
など、舞台上のパフォーマンスも抱腹絶倒。観ている側だけでなく、演っている側も
本当に楽しそうなもので、つかの間の多幸感に灼かれました。時代なんでしょうか? 

ところで、今回の企画は芦屋市立美術博物館と大阪新美術館建設美術室による
共同企画。大阪新美術館は、大阪市北区中之島に2021年度中の開館を目指す
はずなのですが、もう十何年も先延ばしにされ続け、カフカの『城』が頭を過ぎります。
同準備室は約800点の吉原作品を所蔵し、国内外で最大級のコレクションだそうです。
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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 美術

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かなり、夢中になって見入っていたんだと思われ。
閉館時刻の17時が迫っていて、追われるように退出したわ。
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通りすがりの夢想家。元(にして最後の)「トーヨー新報」編集人。現在は、一介の編集素浪人?



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「トーヨー新報」は、昭和33年(1958)創刊。大豆加工品(豆腐・油揚げ、納豆、豆乳、湯葉、凍り豆腐、もやし等)、こんにゃく、総菜業界をメイン購読者層に、月3回の旬刊紙「トーヨー新報」や業界関連データブック『豆腐年鑑』を発行。平成25年(2013)12月21日号、第1851号をもって終刊に至る。

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