金の切れめ

金の切れめが縁の切れめ、ってのはね、あれはね、解釈が逆なんだ。金がなくなると女にふられるって意味、じゃあないんだ。男に金がなくなると、男は、ただおのずから意気銷沈して、ダメになり、笑う声にも力がなく、そうして、妙にひがんだりなんかしてね、つには破れかぶれになり、男のほうから女を振る、半狂乱になって振って振って振り抜くという意味なんだね、金沢大辞林という本によればね、可哀そうに。僕にも、その気持わかるがね」
       ☆
「ぼくにもその気持わかるがね」と書く(言う)辺りが良いです。太宰っぽいです。
ぼくにも、その気持ちはわかります。
日頃から、お金なんかどうでもいい、高度資本主義のマネー・ゲームには無縁だ、と
突っぱねていても、持たざる者の哀しみで、どこかしらひがみ根性が芽生えてしまう。
嗚呼、嫌だ、いやだ。それを他人事のように、一般論のようにすり替えて、
笑いのめそうとする。自分自身を笑い者に仕立てる道化の詐術(生きる知恵)です。
       ☆
12月6日(火)、大阪・中津の北京料理「吉祥楼」で昼食を取っていました。
この日のぼくは、四川風麻婆豆腐定食などを注文。
相変わらずサービス満点のランチで、副菜の小皿の数も充実しています。
実は珈琲も飲み放題のようなのですが、いつもお酒を頼んでしまうのでした。
紹興酒をボトルで注文したはよいものの、しんみりと考え込んでしまい、空け切れず。
       ☆
日本語の覚束ない女店主に、ボトル・キープできるか? 訊いてみたところ、
可能と言われたはずが、瓶をポリ袋に包まれ、お持ち帰りと誤解された模様。
手荷物の重たくなったことをやれんなあ、と嘆じつつ、
ぼくはお金が無くとも、自棄になって、振るようなものも何も無いから、と自覚。
ぼくから切るような縁も何もなく、ただ、ぼくの方からひたすらに惚れ込むのです。
その気持ちが雲散霧消した時こそ斃(たお)れるまで。世間なんてどうだってよくてね。

参考文献:太宰治『人間失格』(集英社文庫)
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通りすがりの夢想家。元(にして最後の)「トーヨー新報」編集人。現在は、一介の編集素浪人?



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「トーヨー新報」は、昭和33年(1958)創刊。大豆加工品(豆腐・油揚げ、納豆、豆乳、湯葉、凍り豆腐、もやし等)、こんにゃく、総菜業界をメイン購読者層に、月3回の旬刊紙「トーヨー新報」や業界関連データブック『豆腐年鑑』を発行。平成25年(2013)12月21日号、第1851号をもって終刊に至る。

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