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こんにゃくでアスベスト除去

こんにゃくが食品以外に利用される例は少なくない。第二次世界大戦中の「風船爆弾」は、こんにゃく芋が原料の多糖類高分子素材の持つ優れた防水性、気密性を応用したもの。最近では人体に有害で社会問題になっているアスベスト(石綿)に対しても、こんにゃくを利用した「アスベスト除去方法」(特開2007—162434)が考案されている。

アスベストは天然由来の鉱物であり、その繊維1本の細さはおよそ毛髪の5,000分の1といわれている。広辞苑によると、「蛇紋石の繊維状をなすもの。まれに角閃石もある。絹糸のように光り、綿のように柔らかで、しかも強靭。熱・電気の不良導体で、保温・耐火材料として用いられたが、石綿の吸入と肺癌の発生率には深い関連があり、使用規制されている」。

日本では1975年に吹き付けアスベストの使用が禁止され、2004年までに石綿を1%以上含む製品の出荷が原則禁止されている。また「大気汚染防止法」により、特定粉塵として工場・事業場からの排出発生規制、「廃棄物処理法」により、一般産業廃棄物よりも厳重な管理が必要とする特別管理産業廃棄物に指定されている。2005年には「石綿障害予防規則」が施行された。

さて、こんにゃくによる「アスベスト除去方法」だが、アスベスト粉塵飛散を防止するとともに、実質的に“完全”に近いアスベストの除去が達成されるといい、次の3つの工程から成る。

1. こんにゃく溶液付与工程=天井、壁、梁(はり)、柱、その他の建築物のアスベスト施工面に付着している除去すべきアスベスト層に対して、こんにゃく芋の粉、粒、すり身、小塊、ペーストまたはエキス等のこんにゃく芋加工品の水溶液であるこんにゃく溶液を浸透させてアスベスト層を半固溶体の状態にする。
2. アスベスト層剥離工程=その半固溶体の状態とされたアスベスト層をアスベスト施工面から剥離させる。
3. アスベスト残渣除去工程=剥離後のアスベスト施工面に残るアスベスト残渣に対し、ドライアイス粒を噴射してアスベスト残渣をアスベスト施工面から除去する。
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