8時間

「八時間労働発祥之地」の碑が建っています。
碑の銘板に刻まれた文章は以下のとおり。
☆
大正八年(一九一九年)、当事の川崎造船所の
松方幸次郎社長が我が国で最初に八時間労働制を
実施したことを記念して ここに碑を建立した。
平成五年(一九九三年)十一月
(社)兵庫労働基準連合会
制作者 井上武吉
☆
銘文だけ読むと、松方社長が率先して
8時間労働制を導入したように読めますが、そんな訳があるはずもなく、
大正8年(1919)9月半ば、まずは川崎造船所の本社工場の労働者たちから
会社側に労働条件の改善を要求。松方社長の回答が有耶無耶だったため、
同月18日からサボタージュ(怠業)闘争が行われ、争議は10日間に及びました。
その結果、折れた松方社長が労働者側に8時間労働制の採用などを提示して、
9月27日に終結。ただし、大正10年(1921)の川崎・三菱造船所争議では、
労働者サイドの惨敗に終わっていますが、安田財閥の創業者・安田善次郎や
原敬首相が暗殺されるなど、世相の曲がり角だった年のような印象が強いです。
何しろ同年(1921)5月1日に、神戸では最初のメーデーも行っていた訳ですから。
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