大豆1俵の生産コスト
食料・農業・農村基本計画において、国産大豆の生産努力目標を平成22年度に25万トンと設定している。平成18年産大豆は九州などで天候不順や台風の影響で収量が低下したが、作付け面積が前年より8,000ヘクタール増えたことから前年より5,900トン(3%)多い23万900トンだった。
平成19年度産から「品目横断的経営安定対策」が始まり、これまですべての農家が対象だった助成や補填といった支援が、一定条件を満たす担い手のみに限定される。担い手になると、生産物の販売収入に加えて、(1)加工の生産実績に基づく支払い(2)毎年の生産量・品質に基づく支払い——が行なわれる。さらに、その年の収入が過去の平均収入を下回った場合、減収額の9割が補てんされる(生産者からの一定の拠出が必要)。
これらの支援をなくして農家が大豆を生産するのは不可能に近い。生産コストに見合う価格で実需者が大豆を買ってくれれば別だが、豆腐や納豆の市場価格からして無理だろう。それは大豆の生産コストをみれば分かる。農林水産省大臣官房統計部は農林水産統計の一環として、毎年、農業経営統計調査を公表している。そのうち、平成17年産「大豆生産費」を別表にまとめてみた。

上表を見ると、物財費として10アール当たり3万3,246円、1俵(60キログラム)当たり1万1,209円。物財費は種苗、肥料、農薬、光熱、建物、自動車、農機具、生産管理などに要する費用で、1俵当たりで見ると、賃貸料および料金(3,608円)などを除くと、肥料費1,236円、農業薬剤費1,176円が目立つ。これらは1俵当たりの大豆の種苗費852円を上回っている。
一方、労働費は直接・間接を合わせて5,767円で、物財費と労働費の合計は1万6,976円。さらに、副産物価額を差し引き、支払い利子、支払い地代、自己資本利子、自作地地代を加えた全算入生産費は1俵当たり2万1,884円。17年産大豆の全国平均落札価格は6,931円(普通大豆7,078円、特定加工用大豆6,422円)であり、大豆の生産には販売収入の3倍ものコストが掛かっているのである。
参考までに、過去10年の大豆生産コストの累年表も掲げておく。
平成19年度産から「品目横断的経営安定対策」が始まり、これまですべての農家が対象だった助成や補填といった支援が、一定条件を満たす担い手のみに限定される。担い手になると、生産物の販売収入に加えて、(1)加工の生産実績に基づく支払い(2)毎年の生産量・品質に基づく支払い——が行なわれる。さらに、その年の収入が過去の平均収入を下回った場合、減収額の9割が補てんされる(生産者からの一定の拠出が必要)。
これらの支援をなくして農家が大豆を生産するのは不可能に近い。生産コストに見合う価格で実需者が大豆を買ってくれれば別だが、豆腐や納豆の市場価格からして無理だろう。それは大豆の生産コストをみれば分かる。農林水産省大臣官房統計部は農林水産統計の一環として、毎年、農業経営統計調査を公表している。そのうち、平成17年産「大豆生産費」を別表にまとめてみた。

上表を見ると、物財費として10アール当たり3万3,246円、1俵(60キログラム)当たり1万1,209円。物財費は種苗、肥料、農薬、光熱、建物、自動車、農機具、生産管理などに要する費用で、1俵当たりで見ると、賃貸料および料金(3,608円)などを除くと、肥料費1,236円、農業薬剤費1,176円が目立つ。これらは1俵当たりの大豆の種苗費852円を上回っている。
一方、労働費は直接・間接を合わせて5,767円で、物財費と労働費の合計は1万6,976円。さらに、副産物価額を差し引き、支払い利子、支払い地代、自己資本利子、自作地地代を加えた全算入生産費は1俵当たり2万1,884円。17年産大豆の全国平均落札価格は6,931円(普通大豆7,078円、特定加工用大豆6,422円)であり、大豆の生産には販売収入の3倍ものコストが掛かっているのである。
参考までに、過去10年の大豆生産コストの累年表も掲げておく。

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