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雪割り納豆、再び

まずは、古くなった納豆をおいしくいただく豆知識を。


東北地方に行った時、「引き割り納豆」(細かく引き割った納豆)というのがあるので買って来て、それを飯にかけて食べたところ、いやはや驚いたのは、その納豆から猛烈なアンモニア臭が出てきて、目が刺激されて涙が出たほどだった。

古くなった納豆にはアンモニアが増えるのであるが、これほどとは思わなかった。これは、納豆菌による自己消化によってアンモニアが出た(腐敗しているのではない)ためで、食べたところで別段どうこうということはないが、やはりアンモニアの臭気が来ると、どうも気になるという人は少なくないであろう。

俺などは、そういうアンモニア臭の出た納豆は天日に干し、カリカリになったものを擂鉢で擂って粉末にし、茶漬けにしたり、湯豆腐のタレに入れたりして重宝している。


以前(2006年6月、『雪割り納豆』参照)、小説家にして美食家の立原正秋(1926〜1980年)の雪割り納豆の食べ方を紹介したが、今回は醸造学・発酵学の泰斗、小泉武夫氏の雪割り納豆“体験”について触れてみよう。納豆食いのプロフェッショナルを自認し、何十年間にわたって1日納豆2パックを食べ続け、『納豆の快楽』という大部の著作までものする御仁だから、なかなかに注文は細かい。

粒の大きさは気にしていないが、「掻き混ぜれば掻き混ぜるほど、糸をいっぱい出して粘り気の増す納豆と、納豆特有のあの匂いが強いもの」を好むという。北大路魯山人の187回には及ばないながら、100回くらいはかき混ぜているともいう。


同じ「引き割り納豆」のタイプに「雪割り納豆」というのがあって、かなり前の話だが、それを飯のおかずにしようと少し硬い状態のものをご飯の上にかけて食ってみるともの凄く塩っぱくて不味いものだった。ところがそこに付いていた説明書を読んでみたら、その納豆はお茶漬けのようにして食べるのが正しい食法だとわかり、どうりで塩っぱかったわい、と思った。その通りに茶漬けにして食ったらうまかった。


参考文献:小泉武夫『不味い!』(新潮文庫)
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たまに「考える人」、歴史探偵。
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