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四月の大雪

宗教的な問題はさて置き、文楽の本公演を初めて鑑賞した
前日(4月21日)は、殿下の一周忌、1年目の祥月命日となりました。
忘れるはずもありません。それにしても、没後初めてのベスト盤
『4EVER』に収録されていた未発表曲「Moonbeam Levels」は
今ひとつだったなあ……「1000 X's & O's」や「Xtraloveable
レベルを期待していて、さみしい肩透かしを喰らいましたよ。
ところで、4月の「二人の読書会」のテーマ作家、宮本輝
『蛍川』を読み返していて、表題となる“蛍川”にまつわる会話部分で
いきなり、あの殿下の歌を想起する不思議さ、切なさ、シンクロニシティ。
       ☆
「見た見た、見たぞお。一度だけなァ。おっとろしいぞ、あれはもうお化けとおんなじよォ。酔いも何も醒めてしもうたがや」
「連れて行けえ。竜夫を連れて行ってくれえ」
「なん、駄目じゃ駄目じゃ。滅多なことじゃあ見られんがや。四月に大雪が降るほど、冬の長い年でないと、蛍の奴は狂い咲いてくれんちゃ」
「四月に降ったらええがけ」
「なァん、ただの雪じゃないがやぞ。大雪よォ、目ェむくほどの大雪よォ」
 竜夫が銀蔵から蛍の話を聞いてすでに五年がたっていたが、四月の大雪に出逢うことはなかった。


参考文献:宮本輝『川三部作 泥の河・螢川・道頓堀川』(ちくま文庫)
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テーマ : Soul, R&B, Funk
ジャンル : 音楽

tag : 黒い音小説

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歌わない詩人、喰えない物書き。
たまに「考える人」、歴史探偵。
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