KAIHO YUSHO

生き急ぎます。観るべき物を観られる時に観る。
修学旅行シーズンなのか、京都は年がら年中
観光シーズンか、JR京都駅のバス乗り場から
えらい行列が出来ていて、臨時運行のバスに。
同博物館の開館120周年を記念しての特別展
「海北(かいほう)友松(ゆうしょう)」です。海北友松
(1533~1615)は武家出身、安土・桃山時代
から江戸時代初期にかけて活躍した画家。
狩野派に学んでいたようですが、後に海北独自の画風の確立に至ります。
特に“龍の名手”として賞賛され、建仁寺の「雲龍図」(大方丈障壁画)とは別に、
他の雲龍図の屏風や掛け軸だけで設えたコーナーもあって、壮観でした。
近江浅井家の家臣、海北綱親の五男(or 三男)の生まれ故、
やはり、武門再興の思いはやみ難かったようで、「誤落芸家(あやまりてげいかにおつ)」
との言葉も残っていますが、その気概と挫折感は嫌いになれません。
(相方は、荒くれる龍の鼻孔から突き出す鼻毛にばかり、目を奪われていた模様)
昭和33年(1958)、ネルソン・アトキンズ美術館(米国)に渡った友松最晩年の
最高傑作「月下渓流図屏風」(6曲1双)に広がる 穏やかな朧月夜の光景に、
ほっと心を洗われます。絵師として、己の在り方を受け容れたからこその境地か、と。
60年ぶりに里帰りした「月下渓流図屏風」のポスト・カードを手土産に購入。
2枚組みとはいえ、6曲1双の大作を掌大のサイズに収めるのは、ちょっと
無理がありましたかねえ。絵は、自分の目で見なければ始まりません。
同時期に「京都国立博物館」では、ミニ特集として「仏像入門」も開催。
近畿地方を中心に、興味深い仏像が集められており、得した気分でしたよ。
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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術
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武士⇒画家
安土・桃山時代ではなく、幕末時代になりますが、
読んでいた小説の主人公が画家で、
先祖が武家に連なっており、海北友松を観ながら
芸事の社会に占める位置について、ぼんやりと考えていました。
芸術というものは、政治や或いは実業に比して、
下位に見られてしまうものか、と改めて。
そういう問いを考えること自体、ぼくがずれているのでしょう。
読んでいた小説の主人公が画家で、
先祖が武家に連なっており、海北友松を観ながら
芸事の社会に占める位置について、ぼんやりと考えていました。
芸術というものは、政治や或いは実業に比して、
下位に見られてしまうものか、と改めて。
そういう問いを考えること自体、ぼくがずれているのでしょう。