蒟蒻大黒天

群馬県下仁田町は「こんにゃくの町」として知られる。こんにゃく芋の主産地であり、さらにこんにゃく粉の生産量が全国のおよそ7割を占めるからである。この町にある諏訪神社には、日本で唯一ともいわれる「蒟蒻大黒天」が鎮座している。

諏訪神社は下仁田町の中心に位置し、地元の人たちに常日ごろから親しまれ、二年参りや初詣でなどでにぎわう。大国主命(おおくにぬしのみこと)、事代主命(ことくにぬしのみこと)、建御名方命(たけらなかたのみこと)などを祭っている。本殿と拝殿の彫刻は、飛騨の工匠の手によるものといわれており、町指定重要文化財になっている。また本殿のすぐ脇にある樹齢数百年の大欅(おおけやき)は、町指定天然記念物に指定されている。

古くは八幡神社だったが、戦国時代に甲斐の国の武田晴信(=信玄)がこの地を占拠した時、八幡神社を廃して諏訪神社にした方が良いとのアドバイスに従い、信州・諏訪の諏訪神社に勧請したと伝えられている。

蒟蒻大黒天は、本殿のすぐ左手の社に奉られている。大黒天はもともとヒンドゥー教のシヴァ神を本地とする憤怒神であったが、仏教に取り入れられて「七福神」の大黒天に姿を変えた。一般には米俵に乗り、福袋と打出の小槌を持った微笑の長者形で表される。しかし、下仁田町の蒟蒻大黒天が乗る俵はこんにゃく芋が詰め込まれたもので、お供え物も10キログラムのこんにゃく玉なのである。

昭和40年代、こんにゃく芋の価格低迷が続いた際に、当時の町長が相場の好転とこんにゃく業者の繁栄を祈願して、大黒天を彫ってもらった。昭和55(1980)年から毎年、原則として1月19日 に「蒟蒻大黒天祭」が開催されるようになり、こんにゃく芋の豊作と価格向上など、こんにゃく業界全体の繁栄が祈願されるようになった。当日はお札の販売やこんにゃくの無料サービスも行われる。

参考文献:塩田丸男『ニッポンの食遺産』(小学館)
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