食品添加物としての水酸化カルシウム

昔ながらの自然食品のイメージが強いこんにゃくだが、精粉を固めてこんにゃく製品を作るには、食品添加物の水酸化カルシウム(消石灰)を使用する。食品添加物を用いなかった時代には、天然の木灰のアクを水で溶いたものを加えて凝固させていた。アクは「灰汁」ともいい、木灰を水に浸した上澄みを指す。木灰のアクに10倍相当の水を加えると、木灰は底に沈殿するが、この上澄みの澄明な水を精粉に加えて凝固させていたという。

水酸化カルシウムは昭和32(1957)年、食品添加物として指定されている。その製法は「石灰石、大理石などの天然炭酸カルシウムを焼いて酸化カルシウムを作り、これを半量の水と混和すると得られる」とある。

CaCO3=CaO+CO2
CaO+H2O=Ca(OH)2+15.5Cal.

『食品添加物公定書注解』を見ると、こんにゃく製造の際、「こんにゃく粉に30〜50倍量の水を加えて撹拌し糊状にし、これにこんにゃく粉の5〜7%の水酸化カルシウムを10倍量の水に溶かした液を混ぜて凝固させて作る」。水酸化カルシウム自体は、生石灰と比べて腐食性は弱いが、その粉塵に接触すれば、鼻孔、眼を刺激し、皮膚に胞状疹を生じるなどの毒性が認められる。しかし『食品添加物公定書注解』の中でその用途に記されているとおり、10倍に薄めての使用が定められた上で、安全性は保証されている。

こんにゃく製造以外での水酸化カルシウムの用途としては、水あめを製造する際の硫酸の中和剤、糖蜜の脱糖や砂糖の精製、野菜漬物の歯切れを良くするため本漬けに先立つ石灰漬け――などが挙げられる。

参考文献:郡司篤孝『恐怖の加工食品』(三一新書)
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通りすがりの夢想家。元(にして最後の)「トーヨー新報」編集人。現在は、一介の編集素浪人?



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「トーヨー新報」は、昭和33年(1958)創刊。大豆加工品(豆腐・油揚げ、納豆、豆乳、湯葉、凍り豆腐、もやし等)、こんにゃく、総菜業界をメイン購読者層に、月3回の旬刊紙「トーヨー新報」や業界関連データブック『豆腐年鑑』を発行。平成25年(2013)12月21日号、第1851号をもって終刊に至る。

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