機械化栽培に適したことゆたか

(独)農業・食品産業技術総合研究機構の九州沖縄農業研究センターでは、豆腐加工適性に優れ、機械化栽培に適した温暖地向けの大豆品種「ことゆたか」(だいず農林132号、旧系統名=九州136号)を育成した。現在、滋賀県の農作物指定品種に採用されており、栽培面積など普及状況を勘案した後、同県の奨励品種に採用される予定だという。

ことゆたかは、1988年に現在の九州沖縄農業研究センターである旧・九州農業試験場において、高たんぱくのエンレイを母親、耐倒伏性の強い九州96号を父親として交配、育成された黄大豆系統。成熟期はサチユタカやタマホマレと同じ“やや晩生”で、生態型は“中間型”に区分される。

1999年9月に公表された「新たな大豆政策大綱」に基づき、需要に応じた「売れる大豆づくり」が推進され、とりわけ豆腐加工適性の高い品種が求められている一方で、大豆の安定供給も重要な課題で、不耕起密植栽培など新しい栽培技術に対応できる耐倒伏性の高い新品種育成への要望も強い。この要望に応えて育成されたことゆたかは、豆腐加工適性がタマホマレより良好で、赤色系みその原料大豆にも適している。

耐倒伏性はサチユタカ同様で、タマホマレより強く、青立ちがサチユタカやタマホマレと比べてほとんどない。さらにモザイクウイルス病のA2系統に抵抗性を有するのはタマホマレと同様だが、裂皮の発生がタマホマレやサチユタカより少ない。倒伏に強いことから、不耕起密植栽培(不耕起によって地耐力を高め、密植により面積当たりの莢数を多くして、慣行栽培と同等以上の子実収量を得る)など新しい栽培技術にことゆたか系統を活用できる。しかし、裂莢性が“易”なので適期収穫に努めることや、ダイズモザイクウイルス病のC系統で褐斑粒が発生することがあるのでC系統の多発地帯での栽培は避けることなどに留意しなければならない。

滋賀県では奨励品種として採用予定のことゆたかだが、主にタマホマレに置き換えて普及させる予定。秋冷期の降雨の影響が少ない同県南部から東部地域の平坦部に適し、耐病性は紫斑病に“やや強”、ウイルス病に“強”で、耐倒伏性が強く、最下着莢高が高いから機械化栽培に適する——といった特性を挙げた上で、同県の農政水産部では、極端な早播・遅播を避け、適期に播種すること、また裂莢に注意し、適期収穫を行うように指導している。
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