新品種「なごみまる」

固形分濃度の高い豆乳や、大豆の全粒微粉末を用いた豆乳類は、消費者に受け入れられて久しいが、大豆に対してアレルギー性疾患を発症する例も少なくない。そのため、アレルゲンたんぱく質を欠失した大豆品種の供給を求める実需者の声に、(独)農業・食品産業技術総合研究機構の作物研究所・大豆育種研究チームが応えて、新品種「なごみまる」を開発した。

登録・命名は平成18(2006)年。「なごみまる」と命名された由来は、「豆乳を飲んで心がなごむ。また、生産現場においても栽培しやすいので安心感が持てる」ことから。豆乳など大豆加工食品のアレルギーリスク軽減のための原料として注目されている。

「なごみまる」は、大豆の主要アレルゲンのひとつとされるβ—コングリシニンのうち、αおよびα’サブユニットを欠失しているが、その系統は「タチナガハ」を母とし、β-コングリシニンのαおよびα’サブユニットを欠失する「ゆめみのり」を父として人工交配した系統に、「タチナガハ」を2回戻し交雑して得られた「刈交0542BC2」にタチナガハを戻し交雑し、得られた後代から選抜したもの。旧系統名は「関東103号」。「なごみまる」の栽培適地は、東北地方中南部から関東地方北部にかけて。収量は既存の「ゆめみのり」に比べて多収で、「タチナガハ」並みである。

収量以外の面で「なごみまる」を「タチナガハ」と比較してみると、生育面では、(1)育成地での成熟期は3日ほど早い (2)耐倒伏性は同等で優れている (3)収量性は、育成地では同等である (4)百粒重はやや低い (5)伸育型は有限である——などの特性が挙げられる。品質面では、粗たんぱく質および粗脂肪の含量が「タチナガハ」と同程度の「中」だが、豆乳加工適性は優れており、豆腐加工適性は劣るという。また、留意すべき点として、すべてのアレルゲンたんぱく質を欠失しているわけではないため、“アレルギーフリー”ではないことがある。

農研機構作物研究所では、大豆以外にも、水稲、小麦、大麦、大豆、サツマイモなどの資源作物の品種改良と、品種改良のための新技術開発を行っている。
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通りすがりの夢想家。元(にして最後の)「トーヨー新報」編集人。現在は、一介の編集素浪人?



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「トーヨー新報」は、昭和33年(1958)創刊。大豆加工品(豆腐・油揚げ、納豆、豆乳、湯葉、凍り豆腐、もやし等)、こんにゃく、総菜業界をメイン購読者層に、月3回の旬刊紙「トーヨー新報」や業界関連データブック『豆腐年鑑』を発行。平成25年(2013)12月21日号、第1851号をもって終刊に至る。

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