Love Suicide
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第2部から合流する相方と、文楽劇場前で落ち合い、
お昼はするが焼を摘まんだだけだったこともあり、
「たこ焼きえびす」で文楽セットを頂きました。
第2部は16時開演。そうはのんびりしていられず。
☆
まず、「心中宵庚申」。近松門左衛門の世話物と
しては最後の作品らしいです。近松の心中物に対して
ぼくは常に、どうして心中しなければならなかったのか?
と不信を覚えてしまいます。それは劇作上のロジックに
対する疑問。近松からすれば、実際に起きた心中事件
であり、事実に対して迫ればよいのであって(それで
観客が集まるのだから)、無から“心中事件”という
有を創造する内的必然性は求められてもいない
とすれば、ぼくの問いかけ自体も無効でしょうか?
近松の仕組んだ心中へ至る筋立て、理由付け自体は
齟齬がありまくりにせよ、いずれにしろ、本当に心中が
あったのだから、何かいろいろとあったんだろう、と
観客は流せたのでしょうか? 純粋に、テクスト読みの
ぼくとしては、近松の考えるような“心中”など無かった。
現場に男女の死体が転がっていただけだ、と言いたく
なります。ともあれ、上田村の段、八百屋の段、道行
思ひの段を鑑賞。夫婦が心中するという(ぼく的には)
難解な話で、近松の“義理”は重た過ぎると感じます。
☆
享保7年(1722)、竹本座にて「心中宵庚申」が初演。
同年、江戸幕府は心中を禁止するだけでなく、「心中」という言葉自体も禁じ、
「相対死」に置き換えられるようになります。何かあれば、死刑というのも嫌ですけど、
どうあっても無理やり生かされるというのも、それはそれで息苦しくて嫌いです。
最後は「紅葉狩」で締め。この季節に観ると、感興が深まります。
非常に、晴れやかな気分で劇場を出ました。ぼくも狩らねばなるまいと思います。
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