表現/現実

表現だけが現実に現実らしさを与えることができるし、リアリティーは現実の中にはなく表現の中にだけある。現実は表現に比べればずっと抽象的だ。現実の世界には、人間、男、女、恋人同士、家庭、等々が雑居しているだけだ。表現の世界はこれに反して、人間性、男らしさ、女らしさ、恋人同士たるにふさわしい恋人同士、家庭をして家庭たらしめているもの、等々を代表している。表現は現実の核心をつかみ出すが現実に足をとられはしない。表現は蜻蛉のように水のおもてに姿を映し、その水面すれすれに飛びちがい、いつのまにか水の上に産卵する。その幼虫は天空をかけめぐる日のために水中で育ち、水中の秘密に精通し、しかも水の世界を軽侮している。これこそは君たちの種族の使命なんだ
       ☆
三島由紀夫『禁色』における老作家、檜俊輔の御託の一部ですが、
George Clinton ならば、“Fantasy is reality”と口ずさんでおしまい。
表現(=芸術)と現実との懸隔、ねじれたように見える関係は、
三島の念頭には常に“”が巣食い、はびこってやまないためで、
現実の模倣は芸術でも何でもないとの確信に立っているからですねえ。
年を喰って、ぼくもどうして(近代)建築などに興が尽きなくなったのか、
美術館巡りや(一部の)小説の濫読とどう関わっているものやら、
己の変心を怪訝に思うこともありましたが、もう、大丈夫。
寄り道、回り道をしているようでも、ゴールは何となく見えています。
       Reproduction of a new breed
       Leaders, Stand Up, Organize
 ♪

参考文献:三島由紀夫『禁色』(新潮文庫)

テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

tag : 小説 美術 近代建築 建築 黒い音

七条仏所跡

特に何が在るというのでもなく、京都市の立てた2017_05_19_七条仏所跡
案内板が無ければ、そのまま通り過ぎてしまう
に違いない、街の一角。下京区七条通河原町
西入材木町ですから、昔の職場から七条通を
東へ向かう際に、よく見かけていた訳です。
その「七条仏所跡」は定朝の子、覚助を祖と
する彫刻工房でして、住まいと仕事場を兼ね、
七条仏所」「七条大仏所」と呼ばれていた
そうです。平安時代中期から江戸時代まで
大きな仏師の勢力でしたが、21代の康正が四条烏丸に移転。
幕末の兵乱で火災に遭い、往時の遺構も完全に失われています。

テーマ : 史跡
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 仏像

『鬼畜大宴会』ほか(再掲含む)

秘密のビデオ会」を開催しました。
きちんとカウントしてはいないけど、第29回。
内容も時間も濃厚で、真剣に向き合えば、頭がくらくらします。
熊切和嘉・監督『鬼畜大宴会』(1998)、
ピーター・ジャクソン監督『ブレインデッド』(1992)、
三池崇史・監督『オーディション』(2000)のほか、
箸休めに、スティーヴ・オーデカーク監督『親指タイタニック』(1999)。
どれも、ぼくが繰り返し鑑賞した作品ばかりです。
決して名画でも、いわんや感動作でもさらさらありませんが、
良くも悪くも、ぼくの血肉に染み込んだ作品群ではあります。
今更、何を語りたくもないのですけれど、昔、ホームページ上にアップロードした
『鬼畜大宴会』についての覚え書きをサルベージできたので、再掲しておきますね。

続きを読む

テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

tag : 映画

新阪急ビル―定点観測(3)―

進まない、変わり映えしないと思っていた大阪・梅田の「新阪急ビル」、
もとい「大阪神ビル&新阪急ビル」=「梅田1丁目1番地計画ビル(仮称)」も
随分と積み上がってきていて、夏以降、外から眺めている分には
何の進展も無さそうなので、画像を撮るのも疎かになっていたりします。
ただ、ぼくの定点観測は元々、大阪駅前第4ビルの側から行っていたのですが、
「新阪急ビル」の建て替わっていく、その裏側(=北側)では
大阪神ビル」東側の解体~建て替えも、着々と進行しているのでした。
「新阪急ビル」と「大阪神ビル」東側区域の解体跡地に
新「阪神百貨店」が建つまでが、Ⅰ期工事(2018年春に部分開業予定)。
Ⅱ期工事で「大阪神ビル」西側も解体され、新百貨店とオフィスが一体となった
超高層ビル(188.9m)が竣工となるのは、2022年春頃の予定です。
もう4~5年は、梅田の空にタワー・クレーンを見上げるのが常態となりそう。

2016_11_14_新阪急ビル2016_12_11_新阪急ビル2017_01_28_新阪急ビル
前年11月14日(月)撮影分同12月11日(日)撮影分本年1月28日(土)撮影分
2017_03_16_新阪急ビル2017_05_04_新阪急ビル2017_05_26_新阪急ビル
3月16日(木)撮影分5月4日(木)撮影分5月26日(金)撮影分

テーマ : 建築
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 建築

美かえる

2017_09_12_美かえる 「兵庫県立美術館」から「王子動物園」に至る南北の
 「神戸ミュージアムロード」ですが、全ての屋外建築を
 いつでも観ることが出来る……という訳ではありません。
 空気を入れて膨らませる仕様の「美かえる」は、
 天候を選んでの出没と相成ります。現われる場所は
 「兵庫県立美術館」屋上で、2011年9月からの設置。
 (画像は今年9月12日に撮影)
 高さ約8m×長さ約10mとなる蛙のオブジェで、制作は
 オランダ人アーティスト、フロレンティン・ホフマン
 “見返る”“観に帰る”などの語呂合わせのようです。
 「美かえる」には6色のカラーリングが施されていますが、
 路面のカラー舗装、街灯のフラッグ、阪神・岩屋駅の
外壁パネルにも、同色の装飾が施されています。ただ歩くだけでも、ちょっと楽しい?!

テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 美術

Can't Help It

テラス・マーティンライヴ、どの曲もジャジーでファンク。
良質のブラック・ミュージックを堪能させていただきましたが、
中でも耳に染み通ったのが「I Can't Help It」。

 動画やアルバム『3CHORDFOLD』
 隠しトラックと異なり、テラス・マーティンの
 ヴォコーダーは抑え、ライヴではワイアン・
 ヴォーンがしっとりと歌い上げていました。
 元はスティーヴィー・ワンダーマイケル・
 ジャクソン
『OFF THE WALL』(1979)に
 提供したメロウ・チューンではありますが、
時代の流れを変えたマスターピースの他曲に、若干埋もれた印象もなくではなく。
21世紀に入ってから、その曲の空気感が嵌まってきたようで、後進のカヴァーが
増えているように見えます。テラス・マーティンもその線で採用したのでしょうか。
 

テーマ : Soul, R&B, Funk
ジャンル : 音楽

tag : 黒い音

Terrace Martin

 9月29日(金)、「ビルボードライブ大阪」に
 押しかけ、テラス・マーティン のライヴを
 楽しみました。18時半開演の1st ステージ。
 昨年に続いて、2回目となりますねえ。
 前回よりリラックスした印象で、バンド全体の
 アンサンブルもこなれた印象を受けました。
 ギターとベースは以前と同じメンバーですが、
ドラマーのトレヴァー・ローレンス・ジュニア(今夏、初リーダー作も発表)が、
なかなか、ぼく好みでして、冷静に見ても、かなり贅沢なバンド編成かと思われます。
メンバーや観客の名前で弄ったり、ヴォコーダーとサックスの二刀流で魅せたりと
余裕のステージングのテラス・マーティン。新プロジェクト、The Pollyseeds 名義で
アルバムもリリースしているので、そちらもチェックしなければいけません。
新作からの一曲「Intentions」も披露され、ぼくのGファンク魂を正面突破で直撃!
I like you, I like you, I really really like you ♪
当日のバンド・メンバーは以下のとおり。
       ☆
 Terrace Martin - saxophone, vocoder and keyboards
 Chachi - vocals
 Rose Gold - vocals
 Wyann Vaughn - vocals
 Keifer John Shackelford - keyboards
 Marlon Williams - guitar
 Brandon Eugene Owens - bass
 Trevor Lawrence Jr. - drums

テーマ : Soul, R&B, Funk
ジャンル : 音楽

tag : 黒い音 呑む

グランサンクタス淀屋橋

神戸市・みなと元町駅の「旧第一銀行2017_09_26_グランサンクタス淀屋橋
神戸支店
」を目にした時、“辰野式”を別として、
外壁部分の再利用という観点から、真っ先に
思い浮かんだのが大阪市の分譲マンション
グランサンクタス淀屋橋」なのでした。
元は歴史的建築物である「旧大阪農工銀行
ビルで、辰野片岡建築事務所の設計により、
大正7年(1918)竣工。昭和4年(1929)には
建築家、國枝博が改修。オリックス不動産が
歴史的な建築物の外壁保存・再生の意向を示したことから、
鹿島建設が外壁の一部(全長約30m)を原形のまま
新築マンションの外壁として再生利用する“曳家(ひきや)工法”を駆使。
結果、現在の街を歩くぼくらも、正面部分(ファサード)に施された
イスラム風なアラベスク模様のテラコッタや、
コーナーの曲線(=カド丸)を平生から愉しめる仕儀となった訳です。
マンションは2013年に竣工。ところで、旧大阪農工銀行の設計事務所は、
名の表すとおり、辰野金吾の創立……本来は同ビルも赤煉瓦仕様
だったそうですが、國枝が改修時にテラコッタ・タイルを採用。
かくして、“隠れ辰野”ビルが誕生した訳です。
現在の見た目は異なれど、辰野作品の(表と裏の)外壁が
きちんと保存・再生利用されていることは素晴らしいことです。
なお、旧第一銀行神戸支店のファサード保存に、曳家工法は使われていません。

続きを読む

テーマ : 建築
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 近代建築

高麗橋

2017_09_26_高麗橋. 大阪市内を流れる東横堀川は、淀川~
 大川から分岐していますが、大坂城築城の
 際に、外堀として改修されたそうです。
 東横堀川に架かるのが葭屋橋今橋
 「高麗橋」……。江戸時代の高麗橋は
 12公儀橋の1つで、西詰には江戸幕府の
 制札場が設けられ、里程元標も建っており、
 「中国街道」の起点ともなっていましたね。
 明治3年(1870)、大阪では初めての鉄橋
くろがね橋」に架け替えたのが、本木昌造でした。
現在の鉄筋コンクリート・アーチ橋に架け替えられたのは昭和4年(1929)。
欄干の擬宝珠や西詰に在った「難波高麗館」(櫓屋敷)を模した柱が目印です。
ぼくは橋を渡る人で、橋を見る人という自覚が薄くて、撮影後、
いつもロケーションを誤るなあ、と画像をチェックしては反省ばかり。

テーマ : 建築
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 近代建築

月刊 笑福亭たま

笑福亭たまさんの落語をよく聴きに行っています。
いつの間にか、まぁ、行ってみようかという感じで。
例えば、桂佐ん吉さんの場合、聴きに行くぞ!
という意識をもって足を運ぶのとは、対蹠的な気の持ちよう。
今回は9月26日(火)、「天満天神繁昌亭」にて18時45分開演の
月刊 笑福亭たま」(2017年9月号)を観に出掛けました。
この形式だと、「月刊 笑福亭たま 2015」を同年9月30日に鑑賞して依頼。
基本、たまをメインに、若手とゲスト落語家を交えて、
間に余興(?)を挟むといった構成で執り行われている落語会です。
今年の9月号のトーク・コーナーのテーマが「あなたの知らない繁昌亭」。
寄席小屋に関するプチ研究発表会といった観もあり、
高座の高さ、また一番席との間の距離の取り方などについて、
非常に興味深い指摘が多々窺われ、個々の噺の内容以前に、
寄席小屋の空間設定が、盛り上がるかどうかを大きく左右するという
見解には、唸らされるものがありました。たまさんの高座は、結構高め!
当日の演目は、以下のとおりとなります。
       ☆
 笑福亭智丸「天狗さし」
 月亭天使「十枚目」
    トーク・コーナー
 笑福亭たま「兵庫船」「庖丁」
    仲入
 桂三風「目指せ!ちょっと岳」
 笑福亭たま「最後の晩餐」

テーマ : 落語
ジャンル : お笑い

tag : 落語

カレンダー
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
Access Counter
   総閲覧者数:
Online Counter
現在の閲覧者数:
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
カテゴリー
プロフィール

ぽか

Author:ぽか
通りすがりの夢想家。元(にして最後の)「トーヨー新報」編集人。現在は、一介の編集素浪人?



豆腐業界唯一の全国版専門紙
「トーヨー新報」は、昭和33年(1958)創刊。大豆加工品(豆腐・油揚げ、納豆、豆乳、湯葉、凍り豆腐、もやし等)、こんにゃく、総菜業界をメイン購読者層に、月3回の旬刊紙「トーヨー新報」や業界関連データブック『豆腐年鑑』を発行。平成25年(2013)12月21日号、第1851号をもって終刊に至る。

リンク
月別アーカイブ
検索フォーム
メルマガ登録はこちらから
購読希望者はメール・アドレスを書き入れて「送信」してね!
Amazon
SOUKEN
QRコード
QR
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

RSSリンクの表示